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Books一般書・研究書

書籍紹介

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アメリカ文学・アメリカ文化

マーク・トウェインと近代国家アメリカ
著者 中垣 恒太郎
マーク・トウェイン研究の最近の動向を視野に入れつつ,トウェインの文学世界における,近代国家イデオロギーと異文化をみる眼差しについて考察する。「旅行・移動・異文化」といったモチーフがアメリカ文学・文化史においていかに想像力の源泉として機能し得たのかを,「旅行熱の時代」と称され「旅行記」の流行という現象をみた19世紀なかばの時代を中心に具体的な作品分析に即して探る。
判型・頁数 A5判上製・352頁
定価 本体4,000円+税
ISBN 978-4-7553-0264-0
出版年月 2012年2月

目次


序章
 マーク・トウェイン研究の現在─没後百周年を越えて
第一部 アメリカの「国民作家」マーク・トウェインの誕生
 第1章 近代国家イデオロギーと異文化を見る眼差し/『イノセント・アブロード』(1869)
 第2章 西部フロンティアにおけるマーク・トウェインの主体形成/『苦難をしのびて』(1872)
 第3章 近代国家アメリカ─投機熱・拡張主義・成功神話/『金めっき時代』(1873)
 第4章 十九世紀アメリカ大衆演劇文化の中で/『セラーズ大佐』(1874)
 第5章 荒野のストレンジャー─多文化主義アメリカの展望/『アーシン、異教徒シナ人』(1876)
第二部 マーク・トウェインのアメリカ再創造
 第6章 アメリカ「再発見」への希求/『アーサー王宮廷のコネティカット・ヤンキー』(1889)、『ジャンヌ・ダルクについての個人的回想』(1896)
 第7章 「国民的」な物語と児童文学からの逸脱/『王子と乞食』(1882)
 第8章 過去の再創造/『ミシシッピの生活』(1883)
 第9章 ハックの亡霊を探して─フロンティアへの希求/『トム・ソーヤーの冒険』(1876)、『ハックルベリー・フィンの冒険』(1885)
 第10章 双生児の悪夢/『まぬけのウィルソンとかの異形の双生児』(1894)
 第11章 疑似科学・オカルトから近代産業社会へ/『アメリカの爵位権主張者』(1892)
第三部 外側から見るアメリカ─異文化を見る眼差し
 第12章 「未開」の発見─「人工の楽園」ハワイの誕生/『ハワイ通信』(1866)
 第13章 「放浪者」の眼差し─「国民作家」の生成と成熟/『放浪者外遊記』(1880)
 第14章 世紀転換期ウィーン体験/『ミステリアス・ストレンジャー・マニュスクリプツ』(1897-1908)
 第15章 〈珍しいもの〉の収集─帝国主義と異国情緒への誘惑/『赤道に沿って』(1897)
 第16章 歴史と虚構/『レオポルド王の独白』(1905)
 第17章 宇宙からの帰還─文化人類学の黎明/『地球からの手紙』(1909)
第四部 時空を超えて─アメリカの文化的アイコンとしてのトウェイン
 第18章 十九世紀後半アメリカの出版事情─予約出版・知的財産権・メディア
 第19章 失われたアメリカを探して─ドリーム・ナラティヴとアメリカの原風景
 第20章 未来のアメリカを見据えて─SF的想像力
終章 アメリカ文学史・文化史におけるマーク・トウェイン

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